大きな会社に入ると一緒のフロアにいる人や部署の人となると大体50~100人くらいの人と日々すれ違うでしょうか。
仕事に慣れてくると、個々の人がどのような業務内容なのか、どんな性格なのかもだんだんとわかってきて、周りを見る余裕ができますよね。
そこで、「やさしい人」「怖い人」「うるさい人」「物静かな人」「面白い人」など、話したこともない人でもなんとなく、勝手に判断していることってあります。
この世の中本当にいろんな人がいますよね。
ここで、不思議なのがいろんな人が集まっているはずなのに、どこの会社でも似たタイプの人がある一定の割合で必ずいることです。
・ 仕事ができて頭の回転が速くリーダーシップのある人。
・ おっとりしていて包容力があり誰からも好かれる人。
・ しぐさやしゃべり方が可愛らしく守ってあげたくなうような女性。
・ 話好きで面白いけど、いい加減な仕事しかしない人。
・ 仕事が遅くてみんなから煙たがられる人。
・ 人の悪口ばかり言う人。
…などなど。
「あっ!この人前の会社の△△さんに似てるかも!」って思うことがよくありました。
仕事が遅いSさんの話
以前、派遣されていた会社にSさんという30代の派遣社員の女性がいました。
会社では他の人とほとんどしゃべることなく、こちらが聞けば話すというほどのおとなしい人でした。
Sさんは一生懸命やってる風でしたが、みんなの半分の仕事量しかできていませんでした。
みんながやり方を教えても何をしても、何回やっても早くすることができなかったのです。
さらに、ミスも多くSさんの仕事をカバーするのに他の人の時間が使われるため、上司や同僚からも冷たい目で見られていました。
そのうちにSさんは、なるべく失敗がない簡単な仕事をしてもらうように自然となっていました。
しかし、派遣は時給制です。
簡単な仕事をしようが面倒で大変な仕事をしようが給料は同じ。
なんか腑(ふ)に落ちないと思いながらも、時給制ということを納得したうえで派遣という道を自分で選んだから仕方ないと思っていました。
そんな日々がしばらく続き。
ついに、とある騒動がおきました。
ある同じ派遣の同僚がSさんの仕事のできなさ加減にブチ切れ!
上司を交えての話し合いまで発展しました。
詳しいことはわかりませんが、Sさんは「私は努力している。仕事が遅いのはしかない。だったらもっと簡単な別の仕事を回してくれればいいのに。」という内容のことを言ったらしいのです。
たぶん、Sさんも売り言葉に買い言葉で言ってしまったのだと思いますが、みんなと同じ給料で簡単な仕事にしてくれと言うのもどうか思います…。
(しかもすでにSさんには簡単な仕事をしてもらっていたのに。)
これを聞いたらみんなを敵に回すことになるのに…。
Sさんも意地っ張りというか気が強い性格なんだと初めて知りました。
その後、案の定、今まで以上に周りに敵をつくってしまい、みんなの目は厳しく冷たくなりました。
しかし、幸か不幸かこのことで、会社側がSさんの仕事量を一人分としてではなく考えるよう人員配置されるようになり、人数が増えたため私たちの仕事にも少しゆとりができるようになったのです。
会社側もそうせざるを得なかったのでしょう。
人数が増えることにより心にも余裕ができるため、みんなあまりSさんのことも気にしなくなりました。
働きアリとなまけアリの話
以前、本で仕事について調べていると面白い話を知りました。
アリにも働くアリと働かないアリがいるらしいのです。
100匹のアリを観察したとすると20匹がよく働き。
20匹は全く働かず。
残りの60匹は普通に働くそうです。
では、その20匹の働かないなまけアリを除くと仕事の効率も上がりよくなるのか?
しかし、そうすると残り80匹のうち、16匹(2割)がよく働き。
16匹(2割)が全く働かなくなり。
残り48匹(6割)は普通に働くそうなのです。
それが人間社会にも当てはまるということでした。
調べたところこれを「働きアリの法則」というらしいです。
本当にそうなのかな~。と翌日から職場を観察。
確かに2割くらいの人は仕事ができる人で、6割くらいは普通に仕事をこなしている。
残り2割はちょっと仕事ができるとはいえないかも…。
いろんな職場の観察をしてみると、結構この法則は当てはまっている気がします。
そして、全く働かないなまけアリもいざって時には、(働きアリがみんな疲れてダウンしたり、自分しかやるアリがいないと思ったら)働きアリになり、その時のため体力を温存している必要なアリなのだそうです。
会社でいえば、たとえよく働く仕事ができる人ばっかりが集まっても、その中から2割は働かない人が生まれる。
働かない人もいざってときには必要な存在なのです。
つまり、世の中必要のない人間っていないんだな~とすごく納得したのを覚えています。
あなたの会社の職場の人達も観察してみると、
なるほどと思う新しい発見があるかもしれませんね!
みんな必要な人
ここで先ほどのSさんを思い出してみると、Sさんは確かに仕事は遅くてミスが多かったです。
でも、みんなSさんのことを本当に嫌いだったか?というと、そうでもないと思います。
人の悪口を言ったり、イヤなことをする人ではなかったため、仕事以外ではとくに人の気に障ることをするひとではありませんでした。
もしSさんがあの騒動で辞めさせられていたら、また職場の中で新たな次のSさんとなる人がでてきてしまうかもしれません。
仕事は忙しくなるとどうしても心に余裕がなくなり、周りに対してイライラしがちです。
ついつい、他の人と比べて自分はこんなに頑張っているのにと、人に八つ当たりしてしまいますが、みんな必要な人なんですよね。